『荷物』#19

Photo:「彼女のもの2」(2017)@泉工房,Nerima-ku,Tokyo

Photograph:Keiko Nagao/Camera:LUMIX GX7/Photo editor:Adobe Photoshop 2020

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一面に

白い砂

しゃがんで

じっとしたら

 

乱反射する

浜の上を

やどかりが

のそのそ

酔っ払いみたいに

ちどり歩き

 

ごめんな

お前の荷物

手伝って

やれなくて

 

おもむろに

ひと掬いすれば

さあと

零れ落ちていく

 

白い背中の

体温のように

滑らかな砂が

 

僕の両手の崖から

僅かな隙間から

一目散に

逃げ出すように

さあ

さあ と

 

残ったのは

ほんの少し

 

僕の両手って

意外と

小さかったんだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『荷物』(2020/9)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

From Kei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Thank you very much. good night.

 

-貝類-

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『花屋の君』♯18

Photo:「彼女のもの」(2017)@泉工房,Nerima-ku,Tokyo

Photograph:Keiko Nagao/Camera:LUMIX GX7/Photo editor:Adobe Photoshop 2020

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きょうも

ひと鉢買った

花に

くわしいふりして

 

まえより

短くなったヘア

熱を測るときみたいに

自分のおでこ おさえて

はにかんでた

眉を すこしだけ

への字にして

 

六畳間

あれから

ばかにふえた図鑑が

ふて寝してるみたいに

散らばっている

 

君の名さえ しらない

 

花よ ごめんな

 

ただ

枯らさないことだけを

祈って 

きょうも

水をやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『花屋の君』(2018/3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

From Kei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Thank you very much. 2時間煮込んで、中華粥つくったよ。大好きなやつーー。

 

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『息をすること』♯17

Photo:「息」(2018)@Kameoka,Kyoto

Photograph:Keiko Nagao/Camera:LUMIX GX7/Photo editor:Adobe Photoshop 2020

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君に会うことができないと

生まれる前から分かっていたのに

君が小窓の外から私を

見ていたことには気づいていた

 

手を伸ばしたくらいでは

届かないまぼろしと

海で溺れかけたたましいを

左手で掬い取ったからだ

 

誰もいない夕暮れをくぐる時

私は大いなる何かに寿がれている

そう思った春もあった

 

息をひきとる時 私の一部から

花が咲くことの方が

よっぽど身の回りを うつくしく化粧する

そう信じた夏もあった

 

押し潰されることに

魅せられ 捕らえられた私が

そうやってしか 息をすることが

できないとしたら

ウツクシイ情景も

自ずと決まってくるものなのだ

そう

旅雑誌の 見開き写真のように

 

湿りきった森の中を

土を感じながら 歩く

切り立った崖に そろりと這う

時化た海に 片足から身を許す

その時 居場所を見つける

そう信じた秋もあった

 

巡り そして去った

息をすることはあまりに

ありありとしていたから

 

この小さな瞳のとぼしい

解像度に勝るファインダーなど

誰が欲しいのだろう

 

貴方の瞳孔に

不格好な私が

貫くことがない日々など

誰が欲しいのだろう

 

小動物に生まれ変わったとして

身動きが多少軽くなったところで

何が嬉しいのだろう

 

私の親指は

きょうもたくましく がさついていて

目は一重のままで

めずらしく 少しだけ足は軽い

そして外は寒く 息は白い

 

そう

ありありとしたものなのだ

サンダルをすり抜けて いつも

大きめの砂利が 土踏まずに

食い込むように

 

そして貴方や私の足は 

大地をという装置さえなければ

立つことさえできない

だって貴方の中には

すでにすべてが

ありすぎている

 

貴方の胸が

ゆっくりと収縮し

また吸い込む

まさに

そのとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『息をすること』(2018/6〜2020/9)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

From Kei

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Thank you very much. おつかれ。

 

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